こちらには比較的最近のニュースやコラムなどをぽつぽつと掲載しています。
ド派手な哺乳類が居ない理由(眼のお話:その3)
日本語で「動物」というと、ごく狭義では哺乳類を指しますね。
しかしこの哺乳類、色彩的には実に地味です。
派手な外見の哺乳類と言われて思い浮かぶのは、シマウマやパンダぐらいでしょうか。
ヤマアラシやキリンなんかもまあ、形は派手と言えるかもしれません。
しかしいずれも白~茶色~黒のラインからは外れておらず、全身が赤だの青だのの鮮やかな色をした哺乳類はいません。
例えば真っ赤な鳥や緑色の爬虫類、黄色い両生類、真っ青な魚などはすぐに思いつきますが、それらのどの色も哺乳類には存在しません。
なぜそんなに地味なのか?それは、殆どの哺乳類が色を判別できないからだろうといわれています。
多くの生物にとって体色は異性にモテる為の大事な武器として発達しているのに、その色がわからないのでは意味がないというわけです。
性淘汰の逆の現象が起きたといえるでしょう。
逆に言うと、派手な色をしている魚や鳥なんかは、当然色覚が有るということですね。
昔は「人間やサルのような進化した動物だけが色を獲得した」なんて話も聞かれましたが、実際にはより下等な動物たちは色覚を持っていたわけです。
虫なんかもある程度の色覚を持っているようですね。
ではなぜ哺乳類のほとんどは色覚がないのでしょうか?
それは突然変異のためとも、先祖が夜行性だったために、必要のない色覚が退化したという話もあります。
それがサルや人間になった時に、また復活したのだそうで。
というわけで、髪の毛が赤かったり青かったりな人が居るのは、まさに万物の霊長である印…と言えなくもないわけです。
そういう人だけが圧倒的にモテるような世の中だったら、もしかしたら100万年後ぐらいには派手な髪の毛の人間が生まれたりするのかもしれません。
2012.05.09
盲点をフォローする脳(眼のお話:その2)
「盲点」という言葉は「うっかりして見落としている点」という意味の言葉としてよく使われていますね。
しかし元の意味は、人間の視野に存在する実際に見えない部分のことを指すというのは、皆さんご存じの通りかと思います。
これは網膜の一部に視神経への接続部分があり、そこには視細胞が無い部分がある…というのもまた、皆さんご存じでしょう。
※右目をつぶって左の点を見ながら顔を近づけていくと、右の点が消えます。
しかしなぜ、見えない部分があるのに、普段はそれに気づくことがないんでしょうか?
普段見ているときは、片目をつぶっても自分の視野には常に真っ白な部分も真っ黒な部分もありませんよね。
これは理由を言ってしまうと、脳が周りの色などを使って、自動的に隙間を補完してくれるからなんですね。
だから周りが青ければ盲点は青く塗りつぶされるし、黒ければ黒く塗りつぶされて目立たないわけです。
上手のような周りを赤で囲まれた白い点は、赤く塗りつぶされます。
そこでさらに疑問がわいてくる人もいるかもしれません。
例えば線だったらどうなるんでしょう?
正解は、「線はちゃんと線として補完される」ですね。
たまたま盲点の部分で線が切れて数mmの隙間が有ったとしても、補完されて切れ目のない直線になります。
じゃあ盲点の部分に色の境界線があったら?
これも単純な色分けであれば、やはりちゃんと2色に分かれて補完されます。
ではここでクイズです。下の図みたいに隙間が有って、しかも段差があったらどうなるでしょう?
これがなかなか興味深いところです。
本来、盲点のサイズは視野角で5度程度。
盲点のテストでは20センチぐらいの距離で見ることが多いですが、その場合は直径数mmしかありません。
しかしそのままでは単純に処理しがたい図形だと、脳は処理する半径を数センチまで広げてしまうんですね。
というわけで問題の答えは、「隙間の本来段違いの白線が、横一直線になる」でした。
実際には、さすがにちょっと無理があるのか、多少ぼやけて見えます。
ただ、見えやすさに個人差もあるかもしれませんので、直線になんか見えないって人はごめんなさい。
ある程度そういう処理をしてくれるってことは確かなようです。
他にもいろんなパターンを試してみると面白そうですね。
さて、こうなると「盲点」とは「うっかりして見落としている」のみならず、「わかった気になって見えてない部分」とも言えるようです。
自分にとっては、なんとも眼よりも耳が痛くなりそうな言葉です。
2012.05.07
人間のサイボーグ化が始まる(眼のお話:その1)
先日、こんなニュースが有りました。
・目のサイボーグ化による失明治療に成功
話だけ聞くと、スタートレックのラ・フォージを思い出した方も多いかもしれません(彼は正確には「見えている」訳ではありませんが…)。
しかしこちらは外部のカメラやバイザー型のセンサなどを使うわけではなく、機能不全な網膜の変わりに眼球上にCCDチップを付けるというものです。
そのため、装着者は外見上は全くそれと分からない状態になっています。
人間の網膜とデジカメなどに使うCCDは、その働きが非常に似ているため、視覚障害の治療につかおうとする研究は、世界中で行われていました。
もちろん日本でも研究は進んでいて、装着者に光を感じさせるだけならば、既に2005年の時点で成功しています。
・人工視覚システムの開発
ところが単なる明るさ以上の具体的なビジョンの情報を脳に伝えるとなると当然簡単な話ではなく、チップの薄膜化、小型化、眼球に合わせた曲面構造に加え、視神経へのより正確な信号など、技術的な問題がいっぱいありました。
今回はわずか1500画素(携帯の画面の数十分の一程度の解像度)ですが、ついに成功したというわけです。
これからもコストや耐久性、高解像度化、カラー化など、さまざまな壁があるのでしょうが、まずは良いニュースと言ってよさそうです。
そのうち眼球や視神経そのものが機械化できるようになるのでしょう。
そんな技術が発達して、健常者が障がい者に身体能力などで負けるようになる時代が来ればいいのになあと、個人的には思ってます。
そしてその頃には障がい者なんていう言葉もなくなっていることでしょう。
2012.05.06
高度な技術のエンタテイメント性
「ほこ×たて」という番組を皆さんご存知でしょうか。
簡単に言うと、相反する技術のそれぞれのプロフェッショナルに対決をさせる番組なのですが、その中でも特に盛り上がる企画が、15日に第5弾が放送された、“絶対に穴のあかない金属VSどんな金属にも穴をあけられるドリル”です。
日本の冶金とドリルのトップレベルのメーカーが、それぞれ粋を凝らした材料と道具で勝負を競いますが、テレビ的な演出のおかげで、残念ながら技術的な話は殆どされません。
しかし現場ではもっともっと面白い話があふれているんですね。
番組を見た人も、見てない人も、技術的なお話にちょっとでも興味がありましたら、ぜひ以下のページをご覧ください。
・「ほこ×たて」緊急解説
・「ほこ×たて」緊急解説第2弾
・解説の解説
だいぶ違う話ですが、2月には製造や加工のプロ達が、サイズ以外は無制限のオリジナルのコマを作り、大真面目に対決するというイベントがありました。
優勝した会社は、他の参加会社が一生懸命作ったコマを総取りできるという、なんとも盛り上がるルールでした。
・全日本製造業コマ大戦開催 優勝は…
今回は16チームのみの参加制限となっていましたが、次回はもっともっと増やして、さらなる盛り上がりを期待したいところです。
どんな技術でも、突き詰めたものを目にすると、なぜか自然と笑顔になってしまいます。
スポーツや音楽だけでなく、こういった分野もどんどんエンターテイメントとして表に出てくるといいですね。
2012.04.19
羽毛のない裸の鶏が開発される
安価で美味しい、鶏肉の代名詞のような、ブロイラーという名前。
その安さの秘密は超効率化された生産体制にあるわけですが、その効率をさらに高めてくれそうな品種が現れました。
とはいえ、ちょっとこれは普及しないかも…と思わせるような見かけです。
・ディズニーアニメのスラップスティックな場面なんかでは、鶏がよくこうなりますね。
可哀想!という声も聞こえてきそうです。
しかし元々ブロイラー達は、一羽あたり25センチ四方のスペースで1日20時間以上光を浴びて育ち、わずか2か月ほどで出荷される運命。
本人たちにとっては、羽毛の有無ぐらいでは、その一生に大した変わりはないのかもしれません。
もうちょっと詳しいお話はこちらへ→ イスラエルで毛の無い鶏が開発される
さて、毛のない動物で比較的有名なのが、ヌードマウスとハダカデバネズミという2種類のネズミ。
この二種類の毛なしネズミは、実はまったく対極的でありながら、ある共通点があります。
・ユニークとしか言いようがありません(特にハダカデバネズミ(左))。
まずヌードマウス(画像右)は、実験用に突然変異体を繁殖させている毛のないネズミで、
胸腺が働かず拒絶反応が殆どないため、おもに移植などの実験に重宝されています。
毛がないのは実験しやすくするためではなく、胸腺が破壊された結果であるようですね。
当然、とても病気になりやすいのですから、天然には生息していません。
逆にハダカデバネズミ(画像左)はとっても体が丈夫です。
一般的なネズミは条件が良くても2~3年の寿命しかないのに対し、このハダカデバネズミはなんと30年越えもあるという、ネズミの仲間とは思えない長寿命を誇ります。
また、なんと「今までガンが発見されたことがない」という、超健康体。
まさにヌードマウスとは対極ですが、やはりそれはそれで興味深い事実なわけで、その秘密を探るべく、こちらも色々な実験の対象になっています。
ちなみに品種改良などは特にされていないようですから、この容貌は天然ものなのですね。
というわけで、その性質と理由は全く逆ながらも、どちらも実験動物という共通点が有るんですね。
以前のコラムに書いたミニミニブタ共々、感謝しないといけませんね。
2012.04.06
世界で一番新しい言語とは?
最初に一つ問題です。
ご覧になった事がある方はご存じだと思いますが、NHKの手話ニュースでは、画面上には手話でニュースを読み上げると同時に字幕が表示されます。
字幕さえあればニュースは伝わるのに、なぜ字幕と手話が両方あるのでしょうか?
その答えは最後に書きます。
さて、ヘッドラインに書いた世界で最も新しい言語とは?の答は、ニカラグア手話と呼ばれているものです。
1979年に40年以上続いた独裁政権が崩壊したニカラグアの人たちは、悪政によりそれまで放置されていた聾唖者達の為の学校を作りました。
集められた聾唖者の子供たちはそれまで教育を受けたことがなかった為、文字や単語の概念がなかったといいます。
そのため、大人たちが教えようとしていた手指で表す言葉は、子供たちにはまったく理解できないままでした。
にもかかわらず子供たちは、友達とコミュニケーションするために自分たちで言語を作り上げてしまったのです。
その言語は周辺で話されている言葉とはまったく似ていない文法体系を持っているので、
子供たちが自分で独自に作ったことは間違いないということです。
詳しいお話はこちらへ 1999年にニューヨーク・タイムズ・マガジンに載った記事の和訳
さて、冒頭の問題の「字幕と手話を併用する理由とは?」の答えです。
手話というものは世界中にありますが、ニカラグア手話がそうだったように、聾唖者の間で自然発生したものが殆ど。
これは日本の手話も一緒で、日本語とは文法も単語の意味も結構違うとのこと。
だから手話で育った聾唖者にとって、一般的な日本語は第二言語になるので、手話を見るほうがずっと楽なんだそうです。
仲間さえいればわずか数年でゼロから言語を作り出せるほどの能力が人間には備わっているのだと思うと、
ちょっと感動してしまいますね。
2012.03.31
蚊をレーザーで撃ち落とすマシーン
例年以上に寒かった冬もようやく終わりそうですね。
これから暖かくなっていく季節を先取りしたわけではないでしょうが、こんなニュースがありました。
link→ レーザーで自動的に蚊を撃ち落としてくれる装置(動画あり)
・レーザーによって焼かれて落ちていく蚊の連続写真 (intellectualventureslab.com)
残念ながら現状では市販には程遠く、「こんなことが出来た」ぐらいのお話ですが…。
よほど寒い国の人でない限り、誰でも蚊には何度となく不愉快な思いをさせられているもの。
この装置がどんどん進化して、帽子の先っちょにでも付けられるようになってくれれば、
夏のアウトドアライフもずっとずっと快適になるのでしょうね。
蚊対策といえば昔からある蚊取り線香ですが、今のほとんどの蚊取り線香は、
ピレスロイド系の殺虫剤をしみこませたものです。
ピレスロイドを火の熱で気化させて効果を出すようにしているため、煙そのものには殺虫成分があるわけではなく、
実質やっていることはマットタイプやリキッドタイプと変わらないようです。
しかし蚊取り線香はもともと除虫菊というものを使い、蚊の嫌がる匂いを出して蚊を寄せ付けないようにしたもので、
これには余り殺虫効果がないため、「蚊取り」ではなく「蚊遣り」と呼ばれていました。
ピレスロイドの人体への影響を心配する方のために、今でも除虫菊のタイプは売られているようです。
比較的最近のものでは、蚊を寄せ付けない超音波を発する機械なんてものもありました。
これは、産卵期(=血を吸う時期)のメスの蚊は、オスの蚊の周波数を嫌う、という話に基づくようです。
ところがこの機械には、とても残念なニュースがあります。
数年前に公正取引委員会が効果がないものと断言してしまったんですね。
Link→ 超音波蚊よけ器は「効果なし」、公取委が排除命令
逆に、蚊の好きな臭いは何でしょうか?
動物の呼気に含まれるCO2や、足の臭いなんぞが好きだというのは有名ですね。
足の臭いの元はイソ吉草酸(3-メチルブタン酸)という物質だそうですが、
これは国が定める22種類の「特定悪臭物質」の一つでもあり、その物質名には臭いの話が付きまといます。
「じゃあ俺の靴下で蚊を寄せ付けて罠にかければ…」なんて思う人がいっぱい居そうですが、
靴下はともかく、臭いで蚊を寄せ付けて駆除するというのは大真面目に考えられているようです。
Link→ 本物の足の臭いよりも4倍蚊を惹き付ける物質を開発
イソ吉草酸は大変少量でも臭いがするそうなんですが、この効果4倍の吸引物質はその辺どうなんでしょうね…。
蚊が居なくなる前に、あまりの臭さに人が音を上げたりすることはないんでしょうか。
ではもう一方の吸引物質、二酸化炭素ならどうでしょう?
さすがにこちらはある程度実用化されているそうで、こんな機械を見つけました。
Link→ 有効範囲1200坪の蚊取りマシーン
取り扱いは外車販売で有名なヤナセの系列のようですね。
お値段223,650円。月のランニングコストは5000円ほど。
これで有効半径は最大35mだそうですが、果たして高いか安いか…。
自分としては、1200坪の家に住めるまでは防虫スプレーと蚊取り線香がお友達のようです。
2012.03.21
増えていくウサギカフェとウサギ
昨年はウサギ年だったこともあり、ウサギを飼うのが流行の兆し…なんて噂もありましたが、
実際にはそれほど流行ったとも言えなかったようですね。
ただ、干支も変わった今年になって、ウサギカフェなんてものがニュースになってました。
Link→ ウサギカフェ、都内に続々 大にぎわい
・今もっとも人気のある種のひとつ「ネザーランドドワーフ」
成長しても体重は1kg前後 (画像は記事とは関係ありません)
要するに、喫茶店としての性格は二の次で、ウサギと触れあえるというのが売りなんですね。
ただ、続々…とは書いてあるものの、まだ都内に数店舗のようです。
ちなみに、日本にはすでに猫カフェというものがありますが、こちらは日本では第一号が
開店したのは2004年ですから、まだ8年しか経っていません(ちなみに元祖は台湾で、1998年開業)。
にもかかわらず、今や全国で約80店舗ほどの猫カフェがあるようです。
ウサギカフェも、これから街中で当たり前のように見るようになるのかもしれません。
Link→ 参考:全国のネコカフェ案内専門サイト「猫茶」
ウサギといえばかつては齧歯目に分類されてたとおり、ネズミとも近い親戚なわけですが、
実際に鼠にちかい繁殖力を持っているようです。
ネズミのその繁殖していく様から、何かがどんどん増殖していくことを鼠算式に増えるとか言いますね。
これは、親が子供を出産して、次は親と子供が出産して、次は親も子供も孫も出産する…
という計算なわけですが、こういうのを数学的にはフィボナッチ数列と言ったりします。
でもこの数列を最初に考えたフィボナッチさんは、ネズミじゃなくて、ウサギの繁殖を例題として
考えたらしいんですね。
フィボナッチ数列は鼠算ならぬ、ウサギ算だったわけです。
そんなウサギの繁殖力を端的に示すニュースが一昨年にありました。
Link→ ウサギは妊娠中に次の妊娠(受精)をすることができる
つまりウサギの子は、生まれる前から弟か妹がいる事があるということになります。
しかしわずか4日間の妊娠期間を短縮するために、すごいことをするもんですね。
ここまですごいのは一部のウサギのようですが、全体的にウサギの繁殖力が強いのは間違いないようです。
それほど繁殖力が強いならもうちょっとネザーランドドワーフが安くなってもいいような気もしますね。
先ほど、ウサギを「かつては齧歯目に分類されてた」と書きました。
じゃあ今は何なのかと申しますと、分類が変わって(分割されて)ウサギ目(重歯目)という
グループに属しているんだそうです。
そもそも齧歯目という言葉もあまり使われなくなって、今はネズミ目となっていますね。
そんな風に呼び名を変えたのは「分かりやすくするため」だったように思うんですが、
どうもあまり効果的ではないように思います。
例えばアライグマの分類なんかは「ネコ目-イヌ亜目-クマ下目-イタチ上科-アライグマ科」なんて
訳のわからないことになってしまっています。
また、アザラシは「ネコ目-イヌ亜目-クマ下目-鰭脚類-アザラシ上科-アザラシ科」だそうです。
慣れてしまえばいいのかもしれませんが、なかなかの違和感ですよね。
2012.03.14
3万年前の種から咲いたシベリアの花と、2000年前の種から咲いた日本の花
植物の種子は比較的長く生命を保つことができるというのは何となくわかりますが、
ずいぶんと極端な例が出たなあというのがこちらのニュース。
なんと3万年前の種がちゃんと花を咲かせたというお話です。
Link→ シベリア永久凍土から出てきた種が花を咲かせた
要するに冷凍保存されていたということのようですね。
3万年前というと、人間はまだだいぶ毛むくじゃらな状態で、
ちょっとぐらいなら遺伝子的にも進化していそうなぐらいの昔です。
日本での同じようなお話で、有名なのは大賀ハスでしょうか。
Link→ 2000年前の花を咲かせた大賀ハス(wikipediaより)
こちらは約2000年前の地層から発掘されたハスの実が花を咲かせたとして
有名になったお話ですが、当時は世界最古と言われたようです。
・最初に開花してから50年余り。今も咲き続ける、大賀ハス。(画像はWikipediaより)
冒頭の3万年前の花は永久凍土から発掘されたものですから、
冷凍保存されていたおかげで腐らなかったのはわかるんですが、
ちょっと不思議なのは、大賀ハスのほうは土(泥炭)の中から発掘されているんですね。
普通に考えたら土の中ではナマモノは腐っちゃうはずなんですが…。
もしかしたら泥炭には腐敗を遅らせる機能があるのではと思って調べたところ、
やはりそうだったようで、また極端な感じのお話が出てきました。
Link→ 近年の殺人事件と間違われたほど、保存状態がよかった2300年前の遺体
太古の遺体が残っているといえばミイラですが、デンマークで発掘された
トーロンマンと呼ばれているこのミイラと呼ぶには瑞々しい外観を持つ人は、
無酸素状態の泥炭に埋まっていたため、また、植物の出すタンニンによって
まったくと言っていいほど腐敗せずに保存されていたようです。
不謹慎かもしれませんが、現代風にいえば「真空パック+防腐剤漬け」みたいなもんでしょうか。
イギリスにはトーロンマンと同じように、泥炭で保存されたリンドーマンと呼ばれる方がいるようです。
こちらは推定5000年前!
もしかしたらまだまだ静かに眠ってる先輩方がいらっしゃるのかもしれませんね。
2012.03.13
静岡でウサギ並の世界最小のミニブタを開発
ミニブタという動物の名は、テレビにもたまに出ていたりするのて、皆さんご存じかもしれませんが、
何をもってミニブタというかの定義は、「だいたい体重が100kg以下」なんだそうです。
一般的な豚では200~300kgにもなりますので、それに比べればまあ、確かにミニとは言え、
犬や猫から比べて見れば、そこそこ大きかったわけですよね。
ちなみに大型犬の代表種、セントバーナードの大きな個体でも、100kg越えは余りないそうです。
そんなミニというには大きいミニブタの常識を、大きく覆す超ミニブタが開発されました。
その体重はわずか10kgというから、今までの数分の一。
芝犬(9~14kg)と比較しても小さいぐらいです。
Link→ 世界最小10キロのミニブタを開発 県と富士宮の企業が生産へ
中日新聞 2012-02-14 掲載
・ウサギと並ぶミニブタ(画像は下記のPDF資料よりお借りしました)
その他のミニブタの画像は、開発元の富士マイクラのページでご覧になれます。
(ジャンプ先で画像をクリックすると、PDFがダウンロードできます。)
PDF資料のグラフを見ると、通常は50kgぐらいにはなる9カ月の時点で、
確かに6kg~12kgの範囲に収まっているのがわかりますね。
それじゃあ、これからは街中で犬のようにブタが散歩している風景が見られるのかと思いきや、
記事にもあるとおり、このミニブタは実験動物用に開発されたんですねえ。
雑食性のブタは何かと人間に近く、実験動物として都合がよいとのことです。
同様の理由からか、ブタの臓器を人間への移植用に使用するなんていう研究も20年以上前からされていて、
最近では人の遺伝子を組み込んで、拒絶反応を減らすようなブタも作られていたりします。
臓器提供者の不足はどの国でも起きており、全世界では10万人に達するともいわれているので、
これからも重要な研究として、度々ニュースを耳にする事になりそうです。
そういえば、実験動物の代名詞となっているモルモットも、英語ではギニーピッグと言うそうで。
そのうち、ギニーピッグの代わりにミニピッグが実験動物の代名詞になっちゃったりするのかもしれません。
2012.03.12
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